中国飲料ブランド、東南アジアで存在感

2026年10月 8日

中国の飲料企業による東南アジアへの進出が加速している。Luckin CoffeeやChageeなどのコーヒー・茶飲料ブランドに続き、Eastroc BeveragesやNongfu Springも同地域で事業を拡大している。東南アジアの清涼飲料市場は2025~2030年に年平均3%で成長し、2030年には小売売上高が297億ドルに達すると予測されている。従来は現地ブランドが強かったが、健康志向の高まりや新しいフレーバーを試す消費者の増加、TikTokなどSNSの影響を背景に、中国ブランドへの受容が広がっている。

こうした進出では、単なる商品の現地向け変更だけでなく、流通、サプライチェーン、生産、マーケティングまで含めた現地化が重要になる。例えば中国のChi Forestは、2022年にインドネシアの大手コンビニチェーンIndomaretとAlfamartへゼロシュガー炭酸水を投入し、現地の健康志向やSNSを活用して市場を開拓した。また、インドネシアのハラール認証を取得した中国工場での生産体制も消費者の信頼獲得につながり、2025年にはアイスティーへ展開した。Eastrocは2024年以降、インドネシアとベトナムに現地生産設備を投資し、マレーシアには現地法人を設立。マレーシアではエナジードリンク「Dongpeng」の現地向けパッケージやメッセージを展開し、99 Speedmartを通じた幅広い流通と手頃な価格を組み合わせた結果、エナジードリンクの販売量が9%増加した。

さらに、複数のブランドやカテゴリーを展開して新たな飲用機会を取り込むことも重要となる。Eastrocは中国で展開する水分補給飲料「Water Boost」を東南アジアに導入し、エナジードリンクとの競争が激しいタイやベトナムでは、エネルギー補給ではなく水分補給を訴求した。また、Nongfuの「Cha Pi」では、マレーシア向けにブランド名を英語化することで口コミやSNSでの拡散を促している。

一方、フィリピンやベトナムではCoca-Cola、Pepsi、Nestléなど既存大手が、継続的な商品開発や消費者からの信頼、幅広い販売網を背景に依然として優位にある。海外ブランドが東南アジアで定着するには、自国国内で成功したモデルをそのまま移植するのではなく、各市場に合わせた商品・ブランド、流通、生産などバリューチェーン全体の現地化が求められる。

Euromonitor International, October 6, 2026

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