マルチパック、プラスチックから厚紙へ移行相次ぐ

2019年 9月24日

先週金曜日、米国ニューヨークを始めとする世界各国の都市で、温暖化対策を早急に求めるデモ行進が若者を中心として繰り広げられ、その後の今週月曜日にはやはりニューヨークで、各国首脳陣が集まる国連気候行動サミットが開催されたちょうどその頃、英国では、世界最大のソフトドリンク・メーカーとビール・メーカーがそれぞれ、プラスチック製マルチパック使用を中止し、厚紙製パックに代えることを発表した。
コカ・コーラ社は、ダイエットコーク、ファンタ、スプライト、Dr.ペッパーを含むブランドの4缶、6缶及び8缶パックを対象とし、18ヵ月間をかけて移行する。
同社は、現在使用しているマルチパックのプラスチック材もまたリサイクル可能ではあるものの、厚紙の方が、英国内地域ごとにより広範囲にわたり収集されリサイクルが実施されているため、この移行となったと説明する。現在、同社は、英国だけで年間3,000万以上のマルチパックを販売しており、移行後、4,000トンのプラスチックの排除が期待できるとコメントしている。
一方、バドライト、コロナ、ステラ・アルトワのブランドを持つ世界最大のビールメーカー、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社傘下のバドワイザー・ブリューイング・グループは、英国とアイルランドにて、ビール缶マルチパックに使用されるプラスチック製バインディング(binding)の使用を中止し、それに代わり、リサイクル可能な厚紙製パック “Keel Clips” の使用を来年末までに開始し、年間850トンのプラスチックゴミ削減を目指す。

(The Canmaker, Sept.19 & 23, 2019)

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