今年の米国ビール出荷量、2010年以来最低となるか

2019年12月 5日

今年、米国のビール醸造会社の数は、米国史上最高の数(認可された醸造会社数11,000以上)に達する一方で、米国内のビール生産量は、ここ10年間で最も低くなると予想されている。
今年10月末までの10ヵ月間の米国ビール醸造会社の出荷量は、約1億4,230万バレルと前年同期比1.8%減を報告した。ちなみに、2010年には、2,343の認可醸造所合わせて1億8,110万バレルの出荷量があった。
米国ビール業界は、この10年間に、米国を代表する大型ビール・ブランドが、数多くの新興アルコール飲料メーカーにシェアを奪われるという、劇的な変化を見ている。2010年以降、米国ビール・カテゴリーで、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社とモルソン・クァーズ社合わせて2,600万バレルを失った一方で、クラフトビール・メーカーが1,500万バレルを加える形となったと、米国クラフトビール業界団体のブリューワーズ協会は報告する。
また、過去20年の間に、ビールが、ワインと蒸留酒に、徐々にではあるが、シェアを譲りつつあり、2003年に米国アルコール飲料売上全体で54%のシェアであったビールは、2018年には46%までシェアを落としている。
一方で、ホワイト・クローに代表されるハード・セルツァーを含む新しいアルコール飲料がビール/ワイン/蒸留酒業界の境界線をあいまいにしつつある。現在、100を超えるハード・セルツァーが存在し、そのほとんどがビールとして分類され課税されている。これらの製品が、米国消費者をビール・カテゴリーに戻しており、小売店でのビール売上に新たな息吹をもたらしつつあることも確かである。

(Forbes, Nov.30, 2019)

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