ワインもペーパーボトルで

2020年12月 8日

Frugalpac社(英国)によるフルーガル・ボトル(Frugal Bottle) は、6月に発表された新しいペーパーボトルである。

容量750mlのフルーガル・ボトルは、その94%がリサイクル紙から成り、その厚紙が囲む内側のパウチにワインあるいは蒸留酒を収める。

フルーガル・ボトルの特長として、軽量(83g)(従来のビン重量の約1/5)、プラスチック使用量を大幅に削減(通常のPETボトル比77%減)、二酸化炭素排出量削減(ビンの約1/6)が主に挙げられる。

他のペーパーボトルとも差別化が可能な利点もある:ボトル全面に巻き付けられる厚紙に、360度のグラフィックを配し、売り場にて独自のブランド力を際立たせることができる。

また、フルーガル・ボトルは顧客の充填施設内でも生産可能であるため、ボトルデザインや印刷で最大限自由な取り組みができる。

リサイクルも容易で、ペーパーボトルを形作る厚紙を解体し、内部のパウチを取り出し分離するだけである。

フルーガル・ボトルを最初に商品に使用したのはイタリアのワイン醸造所Cantina Goccia社で、華やかなデザインに全面を飾られたペーパーボトルの赤ワインは英国で発売され、当初予定していた販売数量を売り切った。現在は、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、スウェーデンでも販売されており、米国及び日本からも注文を受けているとのこと。

ペーパーボトルは、今年注目された新たな容器形態であると言える。ウォッカのアブソリュート、ディアジオカールスバーグ、コカ・コーラ、ペプシコなど大手飲料メーカーが、複数企業が協力して取り組むプロジェクトであるPulpex、Paboco等を立ち上げ、開発の成果を発表している。

Packaging Digest, Nov.30, 2020

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