世界最大のビール・メーカー、セルツァーに投資

2021年 2月 9日

世界最大のビール・メーカー、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ(以降、ABインベヴ)社は、今後2年をかけて10億ドル以上を投じ、米国における製造施設の最新化を図り、主にハード・セルツァーの生産を増やす計画である。

投資のうちの1億ドル以上が、新しい製缶ライン建設に費やされる。今後、一人分量(シングル・ユース)の飲料缶製造を増やす一方で、バーやレストランで通常使用されるケグ及びリターナブル(返却することで返却金が戻る)ビンを減らす。

ABインベヴ社は、先月、同社6番目のハード・セルツァー・ブランドとなるミケロブ・ウルトラ・オーガニック・セルツァーを発売している。

一方、昨年末には、米国を代表するセルツァー・ブランド、ホワイト・クロー社が、4億ドルをかけ、米国サウス・カロライナ州に新しい缶充填工場を建設することを発表した。

飲料市場調査会社IWSR社の報告によれば、ハード・セルツァーは、米国では、成人消費者の50%以上が少なくとも1週間に1度は消費する割合で売り上げており、米国蒸留酒カテゴリーで売上トップのウォッカを上回る勢いである。その急成長ぶりは、米国アルコール飲料全体の販売数量で0.85%しか占めていなかった2018年から1年後には、その数字が2.6%に上昇したことでも明らかである。

この現象は、米国で顕著であるが、昨年、英国市場にて、前出のホワイト・クロー社、及び、ディアジオ社が新製品を発売しており、また、ハード・セルツァーのGoogle検索数が、昨年5月には、前年同期比67%増を見せたことからも、英国での今後のハード・セルツァー人気が期待されている。

The Canmaker, Feb.4, 2021

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