ネスレ、50億ユーロ水部門売却へ
2025年 5月28日
ネスレは現在、キットカットやネスプレッソなどの主力ブランドに注力する方針を取っており、その一環としてペリエ、ヴィッテル、S.ペレグリーノを含む水事業の一部売却を検討している。売却額は約50億ユーロ(2025年5月現在、約8,100億円)に達する見込みで、ロスチャイルドをアドバイザーに起用し、既にブラックストーンやプラチナム・エクイティなど複数の投資会社が関心を示している。
新CEOのローラン・フレイシェの下、ネスレは「中核事業への集中」を掲げ、キットカットやネスプレッソ、ネスカフェといった主要ブランドに経営資源を集中させている。
こうした動きはネスレだけではなく、ユニリーバも先月代替肉ブランド「ベジタリアン・ブッチャー」を売却し、昨年12月には食品ブランドの「ウノックス」や「ズワン」の売却を発表するなど、他の大手企業にも同様の傾向が広がっている。
ネスレの水部門は今年第1四半期に7億2200万スイスフラン(約1,260億円)の売上を記録しており、収益性はあるがネスレ全体の売上に占める割合は4%未満である。
ただしこの部門は過去数年にわたりスキャンダルにも見舞われており、ペリエ、ヴィッテル、エパールなどのブランド水に細菌や農薬、PFAS(有機フッ素化合物)が含まれていたとの指摘や、ペリエとヴィッテルで水道水を鉱泉水として販売し、違法な処理方法を用いていたとされる疑惑もある。
FoodNavigator Europe, May 9, 2025