オンタリオ州、米酒類販売禁止を継続
2025年 9月 4日
カナダ・オンタリオ州は、アメリカが関税を撤廃するか新たな貿易合意が成立するまで、米国産アルコールの販売禁止を続ける方針である。ダグ・フォード州首相は記者会見で「関税が撤廃されるか、新たな合意がなされない限り、店頭には並ばない」と発言した。
連邦政府は、CUSMA自由貿易協定に基づき、9月1日から米国産スピリッツへの25%の関税を撤廃することを発表したが、オンタリオ州は独自に続けている販売禁止を当面維持する構えだ。販売禁止措置は、今年3月にアメリカがカナダ製品に課した関税への対抗措置として導入された。
アルバータ州やサスカチュワン州ではすでに禁止措置が解除されているが、オンタリオ州やケベック州では継続中である。ケベック州のSAQは、賞味期限が近づいた米国産酒類を寄付するとしており、フォード州首相はオンタリオ州でも「賞味期限までは数か月あるので、その後判断する」と述べた。
一方、米国の酒類業界団体は、カナダ政府による関税撤廃を歓迎しつつも、各州が販売禁止を解除しない限り実質的な効果は薄いと批判している。
Just Drinks, August 29, 2025