米大学、革新的超伝導磁石を開発
2025年10月 8日
フロリダ大学の研究者たちは、金属製造、とくに鉄鋼やアルミニウム産業を革新しうる超伝導磁石を開発した。この技術は「誘導結合熱磁気処理(ITMP)」と呼ばれ、強力な磁場と誘導加熱を組み合わせることで、従来よりも最大80%のエネルギー削減を実現しつつ、熱処理の速度を大幅に向上させる。
このプロジェクトはアメリカ合衆国エネルギー省から約1100万ドルの資金提供を受けており、より効率的で環境負荷の少ない合金製造において、米国をリーダーとすることを目指している。ITMPは金属の原子構造を変化させることで迅速な処理を可能にし、再生可能エネルギーとの統合も視野に入れて産業の脱炭素化に貢献しうる。
開発された超伝導磁石は、フロリダ大学のパウエル・ファミリー研究所に設置され、高さ約2メートルのプラットフォーム上で、直径12.7cmまでの鋼部品を磁場の強度を保ったまま処理できる。これはこの規模では前例のない性能である。従来数時間かかっていた処理が「数分」で完了可能になり、冶金、建設、自動車といった分野に恩恵をもたらすとされる。
現在はまだ試験段階にあるが、今後10年以内に産業界での採用が見込まれており、関係企業との連携も進んでいる。また、フロリダ大学の学生たちがこのシステムを用いて実習できることで、より持続可能で省エネルギーな産業の担い手として育成されることが期待されている。
Mundolatas, September 30, 2025
