2025年上半期、アルミを含むチューブの出荷動向
2025年10月 9日
2025年上半期におけるアルミニウム、ラミネート、プラスチック製チューブの世界出荷数は約58億本で、前年同期比で3.9%減少したと欧州チューブ製造業者協会(etma)が報告した。
チューブの種類ごとの動向は以下の通りである:
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アルミニウムチューブは約20億本の出荷で、4.8%の減少を記録した。食品分野の需要は安定し、化粧品分野はやや増加したが、最大用途である医薬品分野の需要が大きく落ち込んだことが全体の減少の主因となった。
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ラミネートチューブは出荷数が約23.6億本で、前年同期比3.6%の増加となった。歯磨き粉や医薬品市場での需要が成長をけん引した。
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プラスチックチューブは約14.7億本の出荷で、12.8%の大幅な減少となった。特に小径チューブの需要が減った化粧品分野での落ち込みが目立った。
業界ではリサイクル材(PCR材)の使用が依然として優先課題となっているが、特にプラスチック分野では供給量が限られており、リサイクル含有率向上への移行が進みにくい状況にある。
さらに、国際的な貿易環境も不安定さを増しており、2025年8月に発効予定のアメリカによるアルミニウムチューブへの50%の関税が、業界に新たな不確実性と供給網への圧力を加えている。
etmaの会長ゾラン・ヨクシッチは、「2025年上半期は、業界が試練に直面しながらも、依然として回復力を示している」と述べ、医薬品や化粧品といった主要市場での需要減に触れつつも、他分野や他種類のチューブでは成長の兆しが見られるとし、2025年後半に対して慎重ながらも前向きな見通しを示した。
The Metal Packager, October 7, 2025
