タタ、EAFで包装用鋼板生産へ
2025年11月 4日
タタ・スチールは、2027年に新設する電気アーク炉(EAF)を用いて包装用鋼板の生産を開始する予定で、業界で初めてとなる可能性がある。EAF導入により、既存の高炉ルートで作られる製品と同等の品質を確保できる見込みで、食品用二重缶や三ピース缶の試験生産も進められている。
このプロジェクトには英国政府から12.5億ポンドの支援があり、ポート・タルボットに新炉を建設する。原料にはスクラップ鋼を75%使用するほか、直接還元鉄(DRI)や圧縮鉄(HBI)、銑鉄を用い、資源消費の削減と循環型経済への貢献を目指す。
また、タタ・スチールはR&Dに700万ポンドを投資し、国内で高品質の鋼を生産する取り組みを強化している。EAF導入により包装用鋼のCO₂排出量を2030年までに50%削減し、2045年までのカーボンニュートラル鋼の生産を目標としている。
同社はこれまで通り高品質・信頼性のある製品を提供しつつ、再生材料利用や排出削減にも取り組み、包装鋼材のリサイクル率の高さ(欧州では2023年時点で82%)などの利点を活かしていく。
Canmaker, October 31, 2025
