音で決まる商品の印象

2025年11月14日

ソーダ缶を開けるときのポップ音や医療用包装のやさしい裂け音など、私たちがほとんど意識しない音は、脳に「高級感」や「快適さ」といった期待を無意識に刷り込んでいる。科学的研究では、ワインのコルク開栓音やビール瓶の開封音の違いで、同じ製品でも評価や印象が変わることが示されている。

音は単なる付随物ではなく、消費者が頭の中で作る商品のストーリーを左右する。

 

さらに、音だけで飲料の温度や炭酸の有無まで判断できることがわかっている。冷たい飲み物は軽快で鋭い音、温かいものは鈍く重い音を伴い、炭酸の泡の大きさや音の高さで新鮮さの印象も変わる。

 

ただし、すべての音が好ましいわけではない。Frito-Layの堆肥化可能なSunChips袋は100デシベルを超える音で、消費者の期待と合わず失敗した例もある。また、医療用包装の音が患者の不安を引き起こす場合もあり、静かで配慮ある素材の重要性も指摘される。

 

パッケージの音は単に商品の魅力を引き立てるだけでなく、安心感や快適さを伝え、消費者の日常生活や体験にまで影響を与える。視覚的なデザインだけでなく、次世代のパッケージは「正しい音」を持つことも求められている。

Packaging Digest, November 7, 2025

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