7月4日の独立記念日を終えたばかりの米国では、夏のバーベキューやパーティーシーズンが本格化している。こうしたイベントでは長年、ビールが定番の飲料とされてきたが、その構図は変化しつつある。現在はハードセルツァーやRTD(缶入りカクテル)、サイダー、ノンアルコール飲料など多様な選択肢が普及し、ビールが夏の飲用シーンを独占する時代は終わりつつある。
背景には、消費者の嗜好の多様化がある。特に若年層では、特定のカテゴリーにこだわらず、その時の気分やシーンに合わせて好みの飲料を選ぶ傾向が強まっている。このため、バーベキューやホームパーティーでも、ビール以外のアルコール飲料やノンアルコール飲料が並ぶことが一般的になっている。
これまで大手ビールメーカーは、「ビール=夏」「ビール=スポーツ観戦」「ビール=祝祭」といったイメージを長年にわたり築いてきた。しかし、消費者の選択肢が広がる中、こうしたブランド戦略だけでは優位性を維持することが難しくなっている。ビールはワインや蒸留酒に加え、RTDやTHC飲料などとも競合するようになっており、ビールメーカーには従来のビール中心の発想から、幅広い飲料を展開する「トータル・ビバレッジ」企業への転換が求められている。