ハード・セルツァー、今夏更なる売上増の予感

2021年 7月 1日

ガス入りウォーターのアルコール・バージョン、ハード・セルツァーは、2018年、5億ドルを売り上げ、大きな話題となった。しかし昨年、外で飲めなくなった米国人は、スーパーでケース毎購入し続けた。そのおかげで、2020年にはその売上を40億ドル以上に伸ばした。ある投資銀行のアナリストは、この夏をきっかけに、今年から4年の間に年間売上高が80億ドルに届くであろうと予想する。

スイカ、ブラック・チェリー、ストロベリー・レモネードなど、季節に合わせたフレーバーを特徴とするハード・セルツァーは、最近ではメーカー各社による差別化努力で、ラムやテキーラを加えた“Spiked”セルツァー、抗酸化物質、アルコール入りコーヒー、あるいはティーを加えたセルツァーなど、今や種類も広げている。

これほどまでにハード・セルツァーが全米で爆発的人気となったのは、ひとつには、ソーシャル・メディアの動画による、ヘルシーなアルコール飲料と強調したマーケティン手法にあると言う。今最も人気のあるブランド、スリム缶のWhite Clawは、カロリー100ほどで、炭水化物・糖類ともに2g、しかもグルテン・フリー、さらにはアルコール含有量も、グラス一杯のワインやカクテルよりも少ない。これであれば、パーティやスポーツ観戦でも飲み易く、泥酔しにくく、長い間楽しめる。

1993年ビール・メーカーのクァーズ社から発売された、結果的には男性にはあまり受け入れられなかった軽めのアルコール飲料Zimaと異なり、ハード・セルツァーは、女性にも男性にも人気がある。そして、人気に火を付けたミレニアム世代だけでなく、今ではどの年代にも受け入れられている。

The New York Times, May.30, 2021

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