ビール、ブランド違えどオーナーは同じ?

2021年 9月 7日

2008年に始まった世界ビールの日。毎年8月第1金曜日に、世界中のビール・ファンが、バーテンダーを含めたビール醸造に関わる人々に感謝の意を表して乾杯する。

無限とも思える様々な種類のビールが日々醸造され、店頭に、あるいは、バー・カウンターに並べられる昨今である。

市場データを提供するStatista社による最新のデータは、しかし、世界全体のビール生産が、実際には、わずか6社ほどの巨大醸造企業に支配されていることを明らかにしている。

過去20年間、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ(以降、ABインベヴ)社、ハイネケン社、カールスバーグ社といった巨大企業は、多数の小規模クラフトビール・ブランドを傘下に収める一方、消費者には、十分な選択肢が与えられているという錯覚を抱かせることに成功している。

あるバーを訪れて、5カ国各々のビール5種類を注文してみたら、実際にはそれらのビール全てがABインベヴ社を親会社とするブランドであるかもしれない。

ここ数年、米国を中心にクラフトビール・ブームが長らく続いてきた。米国で営業している8,764社に及ぶ小規模経営醸造会社が2020年に醸造したビールは計2,300万バレル(約2,700万ヘクトリットル)、ABインべヴ社一社の17分の1ほどの生産量である。

昨年、世界のビール生産量のおよそ60%が、ABインベヴ社(25.7%)、ハイネケン社(12.2%)、カールスバーグ社(6.1%)、チャイナ・リソーシーズ・スノウ社(5.9%)、モルソン・クァーズ社(4.6%)、及びチンタオ社 (4.4%) 6社により占められたことが、Statista社のデータにより明らかにされている。

ZubuBrothers, Aug.10, 2021 / the drinks business, Aug.9, 2021

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