増える飲料缶製造工場建設、米国

2021年 9月28日

世界最大の飲料缶製造会社ボール社(米国コロラド州)が、米国にて、既に建設中の複数の新工場に加え、ネバダ州ラスベガス近くの都市に、更なる飲料缶製造工場を建設する。2022年後半に生産開始を予定、複数の缶サイズに対応するラインを最大で4ライン有し、年間40億缶以上の生産能力を持つ工場となる。

ボール社は、2023年末までに、世界全体で計250億缶の生産能力を新たに加えることを目標に掲げており、2億9,000万ドルをかけたこのプロジェクトもその一環である。

現在米国内で建設中のボール社工場には、操業開始間近のアリゾナ州グレンデール工場(年間生産能力40億缶)、完成の近いバージニア州ピッツトン工場、及び、製蓋工場のケンタッキー州ボーリング・グリーン工場がある。

そして、このボール社新工場建設発表の翌日、ボール社の競合相手であるクラウン・ホールディングズ社(米国ペンシルバニア州)が、ネバダ州ラスベガス近郊、ボール社新工場地から北東80マイルの場所に、新工場を建設することを明らかにした。新工場は、特殊サイズ缶と標準缶を生産する2ラインから成り、年間生産能力約20億缶と推定される。2023年第2四半期より生産を開始する。同社は、現在、国内ではバージニア州Martinsville工場の建設プロジェクトも抱えている。

その他、アルダー・グループ、キャンパック・グループ、及び、メキシコの Envases Universales社もまた現在、米国内で新工場を建設中である。

今年7月までの12ヵ月間、国内の飲料缶製造会社だけでは、国内缶需要に追い付けず、合計で136億缶を輸入する結果となった。今年の輸入缶数は、現時点で既に昨年1年間の総数を上回っている。北米市場の飲料缶需要は、2020年の1,160億缶から、2025年には1,470億缶にまで増えるとボール社は予測する。

The Canmaker, Sept.24 & Sept.22, 2021

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