ウォッカ・セルツァー

2021年10月21日

先月、ビール・メーカーのアンハイザー・ブッシュ・インベヴ社は、カナダで先行発売し売れ行き好調だったプレミアム・ウォッカ・セルツァー、“NÜTRL” (ニュートラ)を、米国11州にて発売した。成分はベース・スピリット、セルツァー、そして果実だけと、“リアル・ウォッカ”と“リアル果汁”を強調する。ウォーターメロン、パイナップル、ラズベリーの3種類のフレーバーをそろえる。

米国では、成長著しい飲料セクター、RTDアルコール飲料(ready-to-drnks)ではあるが、そのセクターの中でも蒸留酒の占める割合は、まだ3%にしか過ぎない。言い換えれば、今回、“NÜTRL”を発売するアンハイザー・ブッシュ・インベヴ社にとっても、他社と同様、“まだスタートライン”にいる。

これまで高い人気を誇ってきたハード・セルツァーは、サトウキビを発酵させたものがほとんどであり、ウォッカ・ベースのハード・セルツァーは少なく、代表的なのは、E.&J.Galloワイナリー社のHigh Noon。ウォッカを含む蒸留酒は、米国では州によりその販売方法が限定され、また、酒税も高くなる。そうではあっても、昨今では売上減少が騒がれるハード・セルツァー、その幅が徐々に広がりつつある。

Forbes, Oct.17, 2021

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