缶のアルコール飲料売上増加、英国

2021年11月11日

過去18ヵ月の間に、英国では、缶アルコール飲料売上が急増したことを市場調査会社ニールセンIQ社は伝えている。

英国でのアルコール飲料売上高は、2019年と比較し23%増加したが、その中で缶製品は他容器を圧倒して2019年比30%増を記録した。今では、缶アルコール飲料は、アルコール飲料年間総売上高の17%を占めるほどである。

缶使用のアルコール飲料で最も売上高増加に貢献したのはワイン業界で、ワイン・カテゴリーとしては2019年比19%増であるのに対し、缶ワインに限定すると同187%増となった。

缶についてはクラフトビール・カテゴリーでも同様の現象が見られており、ビール・セクターで69%増となった一方で、缶クラフトビールに限って見ると売上は118%増となる。

これは一部には、外出禁止で他の娯楽が制限された結果の飲酒への移行ではあるものの、それ以上に、多くの英国消費者が、缶そのものが提供するサステナビリティに加え、缶飲料の質の高さを経験し認知したということであり、消費者は、今後も引き続き缶製品を選ぶものと見られている。

英国で缶がアピールするもう一つの点として、飲料缶のビジュアル効果も挙げられており、見た目が映える缶を好んで陳列する小売店が増えていることに注目している。

英国で、家族を代表して買い物する男性がコロナ禍以前よりも200万人も増えたこともまた今回のニールセンIQ社の調査結果で興味深い点である。小売店、特にコンビニは、買い物客がコロナ禍以前と同じではない可能性があることを踏まえた上で、何を、そして、誰に向けて、陳列し販売すべきかを再考する必要があると、ニールセンIQ社は喚起している。

CanTech, Nov.10, 2021

業界情報一覧